Google Analytics お役立ちコラム

月次のアクセス解析で「見るべき指標」

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ここは「5分で診断 アクセス解析病院」。ウェブサイトの問題を抱え訪れる人々が後を絶たない、 院長のロバート先生は巷で名うての名医。今日は研修医の加藤と山本がロバート先生に相談を持ち込む…

  • 毎月のアクセス解析で「チェックすべき数値」はどこでしょう?
    これでチェックできているのか怖いです

毎月の解析レポートのチェック項目は1箇所

月ごとの解析レポートに目を通しているけど、最近時折不安になるの。

へえ、でも実際にはどんな項目に目を通しているの?

私がチェックしているのはこういうところよ。

  • 全体のアクセス数
  • 総ページビュー
  • コンバージョン数

…でも、これで本当にいいのかしら、本当は“毎月この数値のチェックだけは欠かせない”っていのが実はあるんじゃないかと思って…。

加藤さんの今日の悩みは「毎月チェックすべき数値を知りたい」というものだ。実は毎月のレポートでチェックすべき数値は1つなんですよ。

ひ、、ひとつですか!?

そうなんだ、でも答えの前に、まず加藤さんの「不安の原因」を探ってみよう。そうすることで、実は答えである“チェックすべき1つの数値”にたどり着くのさ。

わ、私の不安の原因って…なかなか思いつかないけど、あるとすれば

  • 解析データをサイトの改善に活かせていない。
  • 数値の変化要因を把握しきれていない。
  • みんなは実はもっと上手に使っている気がしてならない。

といったところです、おおまかにはこの3点です。

ズバリ!加藤さんの不安には、アクセス解析にありがちな誤解と期待が込められているね。早速その誤解から紐解いていこう。

アクセス解析の「目的」と「出来ること」

最近「アクセス解析」っていう言葉自体が一人歩きしていて、誤解を与え易い。ここで改めてアクセス解析で出来ることと、出来ないことを明確にしよう。

「アクセス解析で出来ること」は、「サイトの改善」では?

それが誤解だよ。「目的」であって、「出来ること」ではない。「目的」と「出来ること」。この2つを明確にしよう。

アクセス解析で出来ること

  • データから見る現状の把握

アクセス解析をする目的

  • サイトの改善
  • 異常値を知る(目標との乖離を明確化する)
  • 対策による効果の検証など…

つまり、「アクセス解析で出来ること」は「現状の把握」であって、「サイト改善」とイコールではないということですね?

その通り、加藤さんは、これを認識せずにアクセス解析を行おうとしている。 だから目的がアバウトになり、どの数値をチェックすべきなのか分からなくなる。こうして不安感が大きくなっていったんだ。

言われてみれば、私は「サイト改善」を目的に、アクセス解析をおこなっていました。

僕は「異常を知る」と「サイト改善」を目的に置いてきたけど。

つまり2人は「改善」が目的なのに、毎月の解析データを改善に活かせていないということになるね。成果につながらないから「自分のチェックに落ち度があるのでは?…」と考えてしまうのも無理もない。

毎月の解析データは「異常を知る(目標との乖離を知る)」ため

ここからはよくある誤解なんだけど、毎月の解析データは「異常を知る(目標との乖離を知る)」ことには使えるけど、「サイト改善」にはそのままでは使えないということ。

どういうことですか?

例えていうと、健康診断をイメージして欲しい。健康診断は、決まった項目のデータをレポーティングされてくるけど、これは「病気を治療する」ためではなく、「現状を把握する」ためのものだったろう?
つまり毎月の解析レポートというのは、「異常を知る(目標との乖離を知る)」ことが目的であり、病気を治療すことが目的ではない。

病気を治療する、つまりサイトを改善するには毎月の解析データレポート以外のものが必要ということですか?

そうなんだよ、だから、毎月の解析データレポートを作るならば「異常を知る(目標との乖離を知る)」為と割り切りで考えること。 そうすれば不安感なんて生まれないさ。

毎月の解析データを改善に活かすには

毎月の解析データの目的を「異常を知る(目標との乖離を知る)」ことに置くことが出来たら、やることはシンプルだ。加藤さんなら、どのデータを見る?

異常をチェックするとなると、売り上げに関係する可能性の高い指標をチェックします。問い合わせ数や、検索エンジンからの自然流入数、広告費用…いっぱい思いつきますね。

解析データの目的を「異常を知る(目標との乖離を知る)」に置き換えると、どんどん見るべきデータが出てくると思うよ。冒頭に「チェック項目は1つ」といったのはそのためだよ。

しかし数値データで異常が分かっても、サイトの改善はできないのでは?

サイト改善のためのレポートは別だね。でも、数値の異常を把握出来れば、さらに詳細の調査に着手できる。つまりは毎月のアクセス解析データはサイト改善のための取っ掛かりなんだ。

毎月の解析データは「異常を知る(目標との乖離を知る)」ためのものだと認識することが必要だったのですね!!

まとめ

毎月のアクセス解析で「チェックすべき数値」は?という質問はとても多い。しかしそれはアクセス解析にへの行き過ぎた期待と誤解が生んでいる質問だと認識しよう。

まず、毎月の解析データはサイトの健康診断だと認識しよう。

「異常を知る(目標との乖離を知る)」ことが解析の命題。

その為にチェックするデータは、サイトの働きに直結する指標であるKPIのチェックをする必要がある。

だが「異常を知る(目標との乖離を知る)」と割り切るとすると、端的に言えば最初のレポートは「売上高とコスト」ふたつでもいいと言える。 データ検証にはKPIが必須でも、実際の経営データとは異なるのでデータの使用には含みを持って思案しよう。

追記として、対策からの検証と、数値の加減があった際に、変化があった点については要チェックである。 毎月の解析データの信憑性は俄然上がることになるだろう。